夜走る。

人間誰しもこだわりがあると思う。

バイクで走っていて夜になったらそれはナイトランの範疇に入るわけだが、街灯もガードレールもない林道では常に危険をはらむ。それは厳しい自己責任の元に必ず帰還すると言う強い意志を併せ持つものだけが楽しむことが出来る世界。これぞ即ち「ナイトツーリング」であると捉えることから我が隊の行動指針は定まったのである(うそ)。

闇を切り裂くヘッドライトの灯りを頼りに山を駆け抜けろ。おっとこれの元ネタは隊員(1の方)が作ったコピーか。
ナイトツーリングは楽しい。同じ林道でも昼とは全く違った表情を見せてくれる。
走り方も変わる。中には夜の方が速い御仁もいたりするのも摩訶不思議。
電装系チューン一つでちょっとだけ優位に立てたりする。ワタシの数少ない得意分野を活かせる(かもしれない)カテゴリー。しかし現実はHIDの低価格化等であっさりと元の木阿弥へ…。

 
80年代後半、オフロードバイクは軽量化が進む。男は黙って左キック(…は当時のKTMに勝手につけたコピーだ)ではないが、エンジン始動はキックのみ!が当たり前の時代だった。その前にセルモーターを積んだオフ車はまだ無かったわ(ビッグオフやFTRは別枠。もうちょっとするとセローがセル搭載)。
ハロゲン球が採用されヘッドライトもコンパクト化。遂にはバッテリーすら無くなった。XLR、CRM、DR、TS、DT、KDX、KLXと各社鉛の塊をそぎ落としていった。
# そんな中でXLR-BAJAは二灯ヘッドライトでの異様な威容を誇り、重さを犠牲に明るさを取った通好みの名車だと思う今日この頃。何故かXLRでは省略されたオイルクーラーも標準装備!発電能力の低いXLRを選んだことをちょびっと後悔した…でもいいバイクだったよ!

そのXLRに乗っていた頃に某ショップのナイトラリーへ参加しコマ地図の読み方と夜間に難所を走らせる非人道的なる処遇(笑)を教わる。この楽しさをオンロードバイクの友人達にも伝えたい味わって貰おうとまずは単なる夜のツーリングへ誘いつつ慣れた頃に「舗装林道をレーサーレプリカでナイトランする企画」を立ち上げ、結果ワタシはナイトツーリング隊の隊長と呼ばれるようになった。1994年のこと。それにしても、鬼だ。その後二人オフへ転向したが今は乗っていない…。
 
XR購入後はちまちまと電装系をいじりオフ仲間連中と昼も夜も林道ツーリングを重ねていた。
そしていろいろ憧れを忘れないワタシ。
四国スーパーエンデューロラリー略してSSERは必ず夜のステージを含み、真の林道王を決するべく全国屈指のスペシャリストが集うイベントだと伝え聞いていた。そこでも差が出るのはやはりナイトランであるからして電装系を制するものがSSERを制すとも言われていた(誇張)。
電気に少なからずとも興味のある身としては雑誌媒体のささやかな特集ページを食い入るように読み古本屋を回ったり専門書を紐解いてみたり…仕舞いには発電コイルの巻き直しに手を出すこととなるわけだ。
でも結局、SSERへ出ることは無かった。遠い。エントリー高い。ひっくるめると金が掛かりすぎる。地元だったら…と歯軋りしていると人吉方面でナイトラリーがあるらしいとの情報を大魔神が持ってきた。
2000年春先のことだったかな?(続く)

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